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第34回日本乳癌学会学術総会(The 34th Annual Meeting of the Japanese Breast Cancer Society)

プログラム委員おすすめポイント

第34回学術総会のプログラム委員の各分野のリーダーの先生方にプログラムの魅力をお伺いしました。

外科局所治療

写真:坂井威彦

坂井 威彦がん研有明病院 乳腺センター

シンポジウム1

早期乳癌に対する局所治療の「低侵襲化」と「個別化」がテーマです。低リスクDCISの非切除療法や放射線療法の省略など、治療負担を軽減する治療縮小(de-escalation)の試み、ロボット支援下手術やOncoplastic BCSによる整容性向上、予測モデルによるリスク評価、韓国の最新動向も紹介されます。腫瘍学的安全性を保ちつつ、患者のQOLを最大化するための課題や今後の展望が注目ポイントです。

シンポジウム7

腋窩治療におけるパラダイムシフト「省略から最適化」をテーマに、早期乳癌におけるセンチネルリンパ節生検や腋窩郭清の省略について議論します。cN0やcN+、術前化学療法後の症例に対する外科手術の縮小と、局所制御を担う放射線治療の最適な組み合わせが注目ポイントです。腫瘍学的安全性を保ちつつ合併症を防ぐ個別化戦略や、米国の最新動向、患者との意思決定(SDM)のあり方についても包括的に考察されます。

薬物治療

写真:吉波哲大

吉波 哲大大阪大学 乳腺・内分泌外科学

SY2:周術期治療のde-escalation(より負担の少ない最適治療)を考える

注目ポイント!
公募を含む日本人演者からの5演題で、周術期治療に特化した形で、どこにde-escalationの可能性があるのか?どうすればそれを実装できるのか?を解説いただきます。そして、世界が注目する「HER2DX」の可能性を、その開発者であるPrat先生からご講演いただきます!!

SY12:HR陽性HER2陰性転移再発乳癌のバイオロジーに基づく内分泌療法を中心とした最適治療戦略

注目ポイント!
近年、HR陽性HER2陰性転移再発乳癌治療に起こっている変化は、内分泌療法や分子標的薬のmode of actionと耐性機序に掘り下げた理解が必要です。4人のエキスパートの先生からのご講演はその助けとなること間違いありません。SERENA-6試験についても、PIであるBidard先生から直々にご解説いただきます。朝早いですが、早起きが何文の徳にもなるセッションです。

PD1:MBC薬物療法での地域医療の未来 ~持続可能な地域連携を目指して~

注目ポイント!
転移再発乳癌の薬物療法は、様々な新薬が登場しどんどん専門性が高まっています。さらに、その治療は生活と両立を図りつつ長年に渡り続きます。十分な専門スタッフがいない地域でどうすれば専門的な治療を継続的に提供できるのかを、医師・看護師・薬剤師の立場からご解説いただきます。そして、行政の立場からも講演をいただき、最後に患者さんの立場からも特別発言をいただきます。

放射線治療

写真:吉村通央

吉村 通央京都大学 放射線治療科

パネルディスカッション2
「乳がん治療と共にある苦痛に挑む:乳房病変/皮膚潰瘍・がん性疼痛・治療関連症状への取り組み」

本セッションでは、乳がんにおける緩和治療にスポットライトを当て、実際に治療を受けておられる患者さんから、副作用や治療に対する思いをうかがった後、各分野の専門家から乳癌治療時に問題となる症状・苦痛に関する講演を頂く予定です。最後に、代表的な症例についてのケースディスカッションを行いますので、皆様の積極的なご参加をお願いしたいと思っています。

画像診断・検診

写真:片岡正子

片岡 正子京都大学 放射線科

画像診断・検診分野の企画は1日目に注目です。朝のシンポジウム4では、画像による薬物療法効果判定の基本および病理とのギャップを理解し、US/MRIによる新しいアプローチの可能性を検討します。夕方のパネルディスカッション4では検診に焦点をあて、日本におけるAI読影支援研究や超音波併用検診J-STARTの最新データを紐解きつつ検診のこれからを考えます。最前線の知見も学べる貴重な機会ぜひご参加ください !

病理学

写真:堀井理絵

堀井 理絵横浜市立大学附属市民総合医療センター 病理診断科

シンポジウム3
『乳腺病理診断の不易流行』

病理学は、古典的な形態観察を基盤とし、新しい概念や技術を取り入れて、より精緻で適切な診断が得られるように発展しています。本セッションでは、乳腺病理診断に関する新しい概念や技術を日常診療にどのように取り入れていくのかを議論します。乳腺病理の最新情報を学び活用するために、是非ともご参加ください!

パネルディスカッション6
『乳腺診療における臨床と病理の協働』

適切な乳腺診療を実施するためには、臨床医と病理医の協働が不可欠です。本セッションでは、画像診断、外科手術、薬物療法それぞれに関して病理診断をどのように活用するのか、臨床と病理双方から発表を行い、議論を深めます。明日からの乳腺診療に有用で、直結する内容です。是非ともご参加ください!

基礎研究

写真:宮下穣

宮下 穣東北大学 乳腺・内分泌外科

「乳癌を治す次の一手」はどこにあるのか。免疫学、細胞情報学、代謝研究、腫瘍微小環境学――最前線を走る研究者たちが、それぞれの武器を持ち寄り乳癌に挑む。基礎研究の発見をどう患者さんへ届けるのか。研究と臨床の間に架かる“橋”をテーマに、未来の乳癌診療を語り尽くします。

オンコプラステイック

写真:棚倉健太

棚倉 健太三井記念病院 形成外科

ケースディスカッション
「この症例、あなたならどうする? ーオンコプラスティックサージャリーの正解は一つとは限らないー」

4名の当代を代表する名手による出題×クイズ番組形式×玄人から若手までの回答者
ひとつとは限らない乳房の整容的な外科治療の正解。従来型の温存、OPBCS、鏡視下NSM、脂肪移植の名手の目から見ても適応に迷うような症例を、全国から集った様々なバックグラウンドの回答者とともに紐解きます。系統的なレクチャーもついてくる欲張り企画。明日の臨床を変えるかもしれない類を見ない経験をあなたに!外科領域講習。

緩和・在宅・患者支援

写真:玉城研太朗

玉城 研太朗那覇西クリニック

パネルディスカッション3

乳がん医療は今、大きな岐路に立っています。新薬やゲノム医療の進歩により治療成績は飛躍的に向上する一方で、地域格差、医療人材不足、医療費負担、働く世代の両立支援など、解決すべき課題も山積しています。
本セッションでは、厚生労働省、国会議員、患者支援団体、そして乳癌学会を代表する専門家が一堂に会し、「患者さんにとって本当に価値ある医療とは何か」を本気で考えます。
日本のどこに住んでいても質の高い乳がん医療を受けられる社会とは?限られた医療資源をどう活かすのか?患者支援は本当に患者さんのためになっているのか?耳の痛い話も避けず、未来への提言につながる議論を行います。
乳がん医療の未来は、一部の偉い先生だけで決めるものではありません。会場にいる皆さん一人ひとりが当事者です。ぜひ会場全体を巻き込んで、日本の乳腺医療の未来ビジョンを熱く、時に笑いも交えながら語り合いましょう。「とりあえず今まで通り」は、今日で卒業です。

パネルディスカッション7

「誰も取り残さない」。言うのは簡単ですが、本当に実現できているでしょうか?
在宅医療、緩和ケア、精神的サポート、地域連携、看取り──。患者さんやご家族が人生の最終段階を迎える時、私たちは本当に寄り添えているのか。本セッションでは、緩和ケア、在宅医療、精神腫瘍学、放射線治療、乳腺診療、それぞれの最前線で奮闘する演者の先生方が集結し、建前なし、忖度なし、腹を割って本音で語り合います。
「理想論では現場は回らない」「でも理想を語らなければ未来は変わらない」。
そんな熱い議論の中から、誰も取り残されない医療のヒントを探ります。会場の皆さまもどうか傍観者ではなく当事者としてご参加ください。アツい質問、大歓迎。アツすぎる意見、さらに歓迎。終了後には会場の室温が2℃上がっているかもしれません。日本の緩和・在宅医療の未来を、一緒に本気で語り尽くしましょう!

遺伝医療・がんゲノム

写真:多⽥寛

多⽥ 寛東北大学病院 乳腺外科

シンポジウム9
「乳癌ゲノム医療の現在地とこれから」

「The current state and future of genomic medicine for breast cancer」がん遺伝子パネル検査の保険収載から7年が経過し、乳癌ゲノム医療は日常診療の中で着実に広がってきました。本シンポジウムでは、全ゲノム解析、MONSTAR-SCREEN、GenMineTOP、germline findings、行政の取り組みなど、多角的な視点から現在地を整理します。ゲノム情報を治療戦略にどう結びつけ、どのような課題を乗り越えるべきか、皆さんと一緒に議論したいと思います。

ディベートセッション
「遺伝学的検査の対象について」
「Genetic Testing Requirements」

「BRCA1/2検査、全例にすすめるべき?」という、日常診療でも悩ましいテーマを真正面から取り上げます。賛成・反対それぞれの立場からのディベートを通じて、エビデンスだけでなく、現場での説明や体制づくりの課題も見えてくるはずです。ぜひ会場で一緒に考えて、投票にもご参加ください。

パネルディスカッション8
「乳がん予防も個別化へ:遺伝素因によるリスク層別化検診」
「Personalized breast cancer prevention: The genetic risk-based screening 」

乳がん検診も「みんな同じ」から「一人ひとりのリスクに合わせる」時代へ。遺伝素因、PRS(多数の遺伝子多型から乳がんリスクを推定する指標)、MGPT(複数の遺伝性乳がん関連遺伝子を同時に調べる検査)、画像、環境要因などをどう組み合わせ、予防や検診に活かすのかを国内外の第一線の先生方と考えます。未来の乳がん予防を一緒にのぞいてみませんか。

リキッドバイオプシー

写真:内藤陽一

内藤 陽一国立がん研究センター東病院 総合内科

シンポジウム6
「リキッドバイオプシー」

乳がん診療におけるリキッドバイオプシーは、いま最も注目されているテーマの一つです。ESR1変異検査と経口SERDの臨床導入、NGSによる遺伝子プロファイリング、さらには周術期における微小残存病変(MRD)の検出まで、その応用範囲は急速に広がっています。
本セッションでは、リキッドバイオプシーの基礎から、すでに日常診療に入りつつある検査・治療選択、そして臨床研究の最前線まで、5名のエキスパートの先生方にわかりやすく解説いただきます。
本セッションを通じて、乳がんにおけるリキッドバイオプシーの「現在地」と「これから」が明確になるはずです。明日からの診療や研究に役立つ最新知見を得られる貴重な機会ですので、ぜひ会場にお越しください。皆様のご参加を心よりお待ちしております。

サバイバーシップ

写真:原⽥成美

原⽥ 成美東北大学病院 乳腺外科

「若年乳癌サバイバーが抱える課題と、その支援のあり方を考えるセッションです。妊娠・出産・育児、家族との関係、日々の生活まで、診療の枠組みにとどまらない視点から、ライフステージに寄り添う医療と支援のあり方を議論します。」

ビッグデータ・人工知能・医療DX

写真:相良安昭

相良 安昭相良病院

1. ビッグデータと乳癌診療の未来 ~個別化医療・データ統合・実装の最前線~(SY13)

日常診療で集まる膨大な医療データ(リアルワールドデータ)が、乳癌診療をどこまで変えられるかを解き明かすセッションである。国の医療データ基盤づくり、NCD乳癌登録を使った診療の質改善、データの集め方と使い方、レセプトやDPCを用いた実際の研究例を第一線の演者が解説する。便利な一方でどんな落とし穴があるのかを議論し、ビッグデータを臨床に生かすためのヒントが得られることを目的としています。

2. AI・医療DXが拓く乳癌診療の新時代(PD9)

生成AIやLLM(文章を扱うAI)が、乳癌の診療と研究をどう変えつつあるかを具体例から見渡すセッションである。患者へ病気を説明する対話型AI、カルテを自動で整理して研究に生かす仕組み、公的データの活用、医師や医療スタッフとAIの向き合い方を紹介する。最後にAI倫理(世界医師会ポルト声明)も取り上げ、便利さと責任の両面を考える。AI・医療DXの利用に必要な知識や各施設の取り組みが得られると思います。

人材育成・リーダ育成

写真:⽴花和之進

⽴花 和之進福島県立医科大学 乳腺外科

医療の現場で、良いチームや組織を長く続けていくためには何が大切なのか?本セッションでは、「仕事力」だけでなく「人間力」にも注目しながら、次世代リーダーの育成や、多様な人が活躍できる組織づくりについて議論します。臨床・教育・研究など幅広い視点から、明日からのチーム運営や人材育成のヒントを共有できるセッションですので、是非ご聴講ください。

ライフイベントサポート

写真:徳田恵美

徳田 恵美福島県立医科大学 腫瘍内科

乳がん患者数が増加する一方で、日本乳癌学会の会員数は減少傾向にあります。持続可能な乳腺診療体制を築くためには、多様なライフイベントやキャリアの変化と向き合いながら、医療者一人ひとりが自分らしく働き続けられる環境づくりが重要です。
本企画では、 6月24日 10:10から多様な働き方を実践する乳腺診療医の経験を共有し 6月25日16:15からライフイベントによるキャリア継続の課題と解決の糸口について議論します。乳腺診療に携わる皆さまが自身のキャリアを見つめ直し、これからの働き方を考える機会となれば幸いです。
正解は一つではありません。多様なロールモデルとの出会いを通じて、自分らしいキャリアを考える機会として、ぜひご参加ください。

メデイカルスタッフ(看護)

⾦澤 ⿇⾐⼦東北大学病院 看護部

メディカルスタッフ(薬剤)

写真:橋口宏司

橋口 宏司横浜南共済病院 薬剤科

乳癌薬物療法の副作用対策には、エビデンスだけでは解決しにくい“日々の困りごと”が数多くあります。本セッションでは、脱毛、倦怠感、味覚異常、末梢神経障害をテーマに、医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・患者代表が現場の工夫を持ち寄ります。会場投票も交えながら、職種を越えて悩みを共有し、患者さんのQOL向上につながる、明日から使える実践知をともに考えます。